長期間にわたり症状を抑える可能性のある治療法
舌下免疫療法の新規受付を毎年1〜4月は停止しておりますのでご注意ください。他施設から転院をご希望の方は検査結果及び紹介状をご持参ください。
舌下免疫療法とは?
スギ花粉症やダニアレルギーの治療法に、アレルゲン免疫療法があります。
アレルゲン免疫療法は、100年以上も前から行われている治療法です。アレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」が行われていますが、近年では治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が新登場し、自宅で服用できるようになりました。スギ舌下免疫療法では初年度から86%の方が治療効果に満足されます。ダニアレルギー舌下免疫療法は開始3か月頃から症状の改善が期待されます。ダニアレルギーの方は通年でアレルギー治療薬を服用しておりますので、一緒に舌下免疫療法を行うことをおすすめしております。
原理はアレルギーの原因となるアレルゲンを舌の下に少量から投与することで体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげます。アレルギー症状を治したり、長期間にわたり症状を抑える可能性のある治療法です。5歳から治療が受けられます。
費用は?
保険が適応されます。小児医療証が使用できます。
3割負担の場合の28日分のお薬代は以下となります。その他に診察料、処方箋料が加わります。
スギ花粉症 | |
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最初の1か月 約1000円 | 維持の1か月 約1200円 |
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ダニアレルギー | |
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最初の1か月 約1300円 | 維持の1か月 約1600円 |
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期待できる効果は?
- くしゃみ、鼻汁、鼻づまりの改善
- 涙目、目のかゆみの改善
- アレルギー治療薬の減量
- QOL(生活の質)の改善
ご理解いただきたいこと
- アレルギー反応がおこる可能性があり、まれに重篤な症状が発現する可能性があります。
- 数年にわたり継続して毎日1回服用します。(3年以上推奨)
- すべての患者さんに効果が期待できるわけではありません。
- 月1回受診する必要があります。
- 治療を受けられない方
重症気管支喘息/65歳以上/妊婦・授乳婦/非選択的β遮断薬内服患者/全身性ステロイド薬内服患者/悪性腫瘍・自己免疫疾患・免疫不全患者
治療開始時期は?
スギ花粉が飛んでいる時期は、治療を新たに開始することはできません。
スギ花粉症の「アレルゲン」は「スギ花粉」であり、花粉が飛んでいる時期はアレルゲンに対する体の反応性が過敏になっています。そのためスギ花粉が飛んでいない時期に治療を開始します。当院では安全面を考慮して、「スギ花粉」「ダニアレルギー」の新規受付を毎年5月~12月におこなっております。
治療の流れ①~確定診断~
血液検査で「スギ花粉症」「ダニアレルギー」の確定診断を行います。春花粉(ハンノキ、シラカンバ、ヒノキ)、夏花粉(カモガヤ)、秋花粉(ヨモギ、ブタクサ)の有無も調べます。
治療の流れ②~レクチャー~
治療方法や副作用への対処法など大切なレクチャーを行います。
治療の流れ③~実際の投与~
毎朝、舌下免疫錠を舌の下に置き、1分間保持したあとに飲み込みます。その後5分間はうがい・飲食を控えます。最初の1週間は少量から服用し体を慣らす期間です。初めての投与は医師の監督のもと行います。クリニックで30分間待機していただき、副作用が発現しないことを確認します。2日目からは自宅で服用します。1週間後に問題がなければ、通常量の服用へ移行します。以降は月1回診察へお越しください。
治療の流れ④~2年後の効果判定~
効果のある方は「スギ花粉症」で約8割、「ダニアレルギー」で約6割です。効果のある方には更に1~2年継続し、治療を終えます。効果のない方は残念ですが舌下免疫療法が体質的に合わないと判断し、治療は2年で終了となります。
こちらのサイトでも詳しくご案内しておりますので、ご興味ある方はクリックしてください。